日本記紀神話において「山幸彦(日子穂穂手見命)」の物語などに登場する神。「塩椎神」は古事記での表記。兄の大事にしていた釣り針をなくして途方にくれていた日子穂穂手見命の前にあらわれ事情を聞くと、海の神である綿津見神の住む海中の宮に行って事情を話せば助けてくれるかもしれないと助言し、小船を作ってそれに日子穂穂手見命を乗せ見送った神である。小船は勝手に良い潮流を選び、日子穂穂手見命は無事に綿津見神の宮に着くことが出来た。「しおつち」とは「潮の霊」を意味するため、塩椎神は潮と海路を司る神だと考えられる。 日本書紀では「塩土老翁(しおつつのおじ)」、「塩筒老翁(しおつつのおじ)」、「事勝国勝長狭(ことかつくにかつながさ)」などの名前で登場する。この他にも邇邇藝命や神武天皇(=神倭伊波礼毘古命)の前に現われて良い土地のある場所を教えるなど、やはり旅先案内人のような役割で登場する。また日本書紀では塩椎神を伊邪那岐命の御子神とする。
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