セルケト

エジプト神話において葬祭に関連する女神の一人。「セルキス(Selkis)」とも呼ばれる。頭にサソリを戴いた女性の姿で表される。が、元々はサソリではなくタイコウチを戴いていたものが混同されたと考えられる。元々ナイルの源流を司る女神であるが故、水に生息するタイコウチによって象徴されていたのだが、それがサソリと混同されることにより毒を持つ生物一般を司る神、ということになってしまった。またナイルの流れは冥界に続いている、と信じられたことからセルケト(Serket, Selket)は葬祭を司る神とも考えられるようになった。こういった結びつきはセルケト(Serket, Selket)のイメージを変容させ、ローマ支配時代に至っては人間の頭を持つサソリの姿をしていると考えられていた。セルケト(Serket, Selket)はイシス(Isis)、ネフティス(Nephthys)、ネイト(Neith)などの死や冥界に関連する女神とともにカノプス壷(ミイラを創る時に内蔵を保管する壷)を守護する女神の一人とされる。

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