セック

或いは「ソック」。北欧神話に登場する巨大な老婆の姿をした女巨人。ロキ(Loki)の姦計によって愛すべき神バルドル(Baldr)が死を遂げたとき、バルドル(Baldr)の兄であるヘルモズ(Hermóðr)は冥府「ニブルヘイム」に赴き、危険な旅を完遂して冥府の女王ヘル(Hel)に会いに行った。ヘル(Hel)にバルドル(Baldr)を返してくれるよう交渉するためである。その結果ヘル(Hel)は「地上の全てのものがバルドル(Baldr)の死を嘆くなら」生き返らせてもいいと応じた。アサ(Æsir)神族は勿論のこと、人間や全ての動物、木々、敵対するべきヨツン(Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn)族やでさえバルドル(Baldr)の死を悲しんだ。しかし一人だけバルドル(Baldr)を全く悼まず、何の哀れみも見せない者がいた。それがセック(Thökk)である。この為バルドル(Baldr)は生き返ることができなかったが、実はセック(Thökk)は変幻自在の神ロキ(Loki)が化けた姿であったとする伝承もある。

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