勢至菩薩

仏教における菩薩(Bodhisattva)の一尊で八大菩薩や二十五菩薩の一。梵名を「マハースターマプラープタ(Mahā-sthāma-prāpta)="大きな威力に達する"の意」と称する。勢至菩薩(Mahā-sthāma-prāpta)のほか、「大勢至菩薩(だいせいしぼさつ)」、「得大勢至菩薩(とくだいせいしぼさつ)」、「得大勢至菩薩(とくだいせいしぼさつ)」、「大精進菩薩(だいしょうじんぼさつ)」などの名称があり、また音写では「摩訶娑太摩鉢羅鉢跢(まかさたまはらはた)」、「阿利也摩訶薩他摩鉢羅鉢跢(ありやまかさたまはらはた)」などと記される。 観音菩薩(Avalokiteśvara)とともに阿弥陀如来(Amitāyus, Amitābha)の脇士であり、合わせて「阿弥陀三尊」と称される。智力による光で人間の悩みや迷いを除き、人々が悪道に染まることがないように助ける菩薩で、死に際して現われ人々を極楽に導くとされる。阿弥陀三尊像では右に勢至菩薩(Mahā-sthāma-prāpta)を、左に観音菩薩(Avalokiteśvara)を据える場合が多く(観無量寿経に拠るもの、密教では反対に据える)、宝瓶を戴く。胎蔵界曼荼羅において観音院(蓮華部院)に属し、その像容は肉色の身色で左手に開合蓮華(ないし未敷蓮華)を持ち、右手は親指と人差し指以外を曲げて胸に当て赤蓮華座に坐す。 密号は「持輪金剛(じりんこんごう)」、「持光金剛(じこうこんごう)」、「転輪金剛(てんりんこんごう)」、「空生金剛(くうしょうこんごう)」、種字は「सः(saḥ)」、「सं(saṃ)」、印相は未敷合掌、真言は「曩莫三滿多沒馱喃三髯髯索娑嚩賀」、三昧耶形は未敷蓮華。 大勢至菩薩 1804 藤原行秀 写 「十王寫(じゅうおううつし)」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain 十王図の第九幅に都市王の本地として描かれたもの。

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