サタン

聖書などに登場する魔神で、すべての悪魔や魔神たちの頭領。神と敵対する最大の存在。第一位の熾天使だったルシファー(Lucifer)が自分の力をおごり、自分の配下をひきつれ神に反逆して堕天した者、あるいは神の命令により人間の信仰を試す者と考えられている。旧約聖書でサタン(Satan)は定冠詞付きの「ha-satan(ハ=サタン(Satan))」と記述され、ヘブライ語で「敵」、「告発する者」、「迫害する者」といった意味で特定の固有名称ではなかった。旧約聖書中「歴代志上」の21章にのみ定冠詞無しでサタン(Satan)が記されているが、これは一般的に誤写と考えられている。しかし新約聖書では定冠詞無しの「Satan」で記述され、悪魔の固有名称として使われるようになった。 「この世の支配者」、「空中に勢力を持つ者」といった称号を持ち、また「古き龍」、「闇の貴公子」、「魔王」などとも呼ばれる。新約聖書「ヨハネの黙示録」において世界の終わりに出現するとされた七つの頭、七つの冠、十の角をもった赤き竜はサタン(Satan)であった。世界に大いなる災厄をもたらしながらも、サタン(Satan)は神や天使との戦いに負けて地獄に投げ落とされた。以後彼は地獄の業火で永遠に焼かれ続けているとも、決して溶けない氷の中に閉じ込められているともいわれ、地獄に落ちた人間達をその血に濡れた口で喰らっているという。 しかし彼は霊体だけで活動することが出来ると考えられていて、地獄を離れて人間を誘惑する為に地上へやってくるという。アザゼル(Azazel, Azaziel Azael)、ベリアル(Belial, Beliar, Berial)、ベルゼブブ(Beelzebub, Beelzebul, Baal-zebub)などは彼の化身であると言われるが、またすべての悪魔が彼の化身だとも言われる。イスラム教でサタン(Satan)はシャイターン(Saitan, Shaitan, Shaitant)と呼ばれる。

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