中国や日本の仏教において、三十三種の様々な観音菩薩(Avalokiteśvara)を集めて1組としたもの。「三十三体観音(さんじゅうさんたいかんのん)」とも呼ばれる。「妙法蓮華経」の「普門品」において、観音菩薩(Avalokiteśvara)が相手や場所に応じて三十三種の姿に変わり人々を救済する様が書かれているが、これを「三十三応現身(さんじゅうさんおうげんしん)」と呼び、三十三観音はこれに因んで三十三種の変化観音を列挙したもの。日本に残る資料としては天明3年に刊行された「仏像図彙」においてまとめられている。観音菩薩(Avalokiteśvara)を祀る各地の三十三ヶ所の霊場を巡る三十三所巡礼(西国三十三所など)も三十三応現身を元としたものだが、こちらの場合は全てが異なる観音菩薩(Avalokiteśvara)というわけではない。三十三観音に含まれる変化観音は、インドで成立したものや中国の説話から生まれたものなど、様々な仏尊が含まれており、これらは単一の経典などに基づいて選択されたものではない。
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