日本の神仏習合思想において、毎日交代で守護を行う(=結番守護)とされる三十柱の神仏に対する総称。略して単に「番神(ばんじん)」とも呼ばれる。また「三十」は「丗」とも書くので「丗番神」と書かれることもある。天台宗が興りとされており、円仁(慈覚大師)が法式に従って法華経を書写(如法経と呼ぶ)していたときに、神仏が三十日の間代わりがわりにこれを守護したと伝わる(この時は十二神だったという説もある)。従って元々は如法経を守護する神々であったと考えられる。三十番神の考え方は日蓮宗や吉田神道などにも波及したため、十種に及ぶ三十番神が存在する。このうち、天地擁護、内侍所、王城守護、吾国守護の三十番神は神祇家による所伝、禁闕守護の三十番神は両部神道(真言宗)本迹神道家の所伝、法華守護の三十番神は天台宗の最澄(伝教大師)が祭祀したもの、如法守護の三十番神は円仁が入唐以後に勧請したもの、法華経守護の三十番神は吉田家の所伝に基づき日蓮が天台宗(法華守護、如法守護)の誤りを正すものとして選定したもの、仁王経守護の三十番神は天台宗の南楽坊良正が仁王経の守護神として勧請したもの、如法経守護の三十番神は円仁が入唐以前に勧請したものとされる。
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