酒弥豆男神

日本神道において酒造を司る男神。「さかみずおのかみ」とも読む。「延喜式」神名帳に拠れば、宮中の酒を醸造する役所であった造酒司(さけのつかさ)においては二社六座が祀られており、そのうちの一社「酒殿神社(さかどののじんじゃ)」において祀られていたのが、酒弥豆男神、酒弥豆女神の両神である。両神を合わせて「酒弥豆男酒弥豆女神(さかみずおさかみずめのかみ)」、あるいは「酒殿神(さかどののかみ)」とも呼ぶ。名前の「弥豆(みず)」は「水」を指し、酒と酒の醸造に欠かせない水を守護する神と考えられる。「新撰姓氏錄」に拠れば、仁徳天皇の代に韓國(からのくに)より渡来し造酒にあたった兄「酒部公麻呂(さかべのきみまろ)」と弟(=妹)「山鹿比咩(やまかひめ)」に対して、「酒看都子(さかみずのこ)」、「酒看都女(さかみずのめ)」の名を賜ったという。つまりこれら酒部公の祖を造酒の神として祀ったものと考えられる。現在は宮中三殿のうちの神殿に合祀されているものと思われる。またほかに愛知県一宮市今伊勢町の「酒見神社(さかみじんじゃ)」においても両神を祀る。

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