フランス北部のノルマンディー地方やブルターニュ地方、及びスイス諸州に伝わるエルフ(Elf, Ælf)ないし悪戯好きの妖精。「ボン・ギャルソン(Bon Garçon)="良い少年"の意」と呼ばれる場合もある。赤い服を着た小さな僧や少年、オオカミ頭の男、あるいは動物や空飛ぶ針、突風、浮遊する炎といった様々な姿に変身し、また自在に姿を現したり消したりできるという。洞窟のよどんだ水の近くに住んでおり、湿原や砂丘、立石といった場所に現れるとされる。 リュタン(Lutin)は時に召使を手伝ったり、炉の火を起こしたり、赤ん坊を泣き止ませたり、あるいは馬小屋や牛小屋で世話を手伝ったりといった家付き妖精のようなこともするが、一方で軽んじられると鍋をひっくり返したり、糸を絡ませて編み物や糸紡ぎの邪魔をしたり、牛からミルクが出ないようにしたりする。 田舎のリュタン(Lutin)は時に「リュタン・ノワール(Lutins Noires)="黒いリュタン(Lutin)"の意」や「アレニェー・リュタン(Araignées Lutins)="蜘蛛のリュタン(Lutin)"の意」と呼ばれた。リュタン(Lutin)やスプライト(Sprite, Spryte, Spright)は古くは「ネタン(Netun)」と呼ばれ、人間の子供たちの相手をするのを好んだという。シュバル・バヤール(Le Cheval Bayard)はリュタン(Lutin)の変身した姿だとされる場合がある。
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