ケルト神話における太陽神。「ルー(Lugh)」という名はアイルランド語で、ウェールズ語では「レイ(Lleu)」、フランスでは「ルゴス(Lugos)」として知られている。しばしば「長い腕の」という二つ名をつけて呼ばれる。邪眼のバロール(Balor)の一人娘エフネ(Ephne)と、治癒の神ディアンケト(Dianceht)の息子キアン(Cian)との間にできた子で、元々は海を支配するフォモール(Fomor)族に属していた。バロール(Balor)は孫によって自分が殺されると予言されていたため孫であるルー(Lugh)を殺そうとしたが、キアン(Cian)の兄弟であるマナナン・マクリル(Manannan MacLir)とゴヴァノン(Govannon)によって守られながら、ルー(Lugh)は無事に育った。ルー(Lugh)は一人前になるとフォモール(Fomor)族を抜け、敵であるトゥアハ・デ・ダナーン(Tuatha De Danann)(ダーナ神族)側についた。戦士としての武勇を認められ、ヌァザ(Nuada)から族長の座を継いだルー(Lugh)は祖父バロール(Balor)を殺し、フォモール(Fomor)族を撃破した。 ルー(Lugh)は誰よりも秀でた能力のようなものを持っていなかったが、全ての能力において優れていて欠点がなかったとされている。彼の持つ輝く槍は敵を見つけるとひとりでに飛んでいき相手を倒すという。またバロール(Balor)を倒した一撃はバロール(Balor)の邪眼の魔力が届かない距離からの投石器による攻撃だった。ルー(Lugh)が「長い腕(ラムズハザ)のルー(Lugh)」と呼ばれたのはこういったことに所以している。また技芸と職人の神ともされ、「グイズブル(フィズヘルとも)」と呼ばれるボードゲームを発明し、得意としていたとされている。 アイルランド語で妖精を指す「ルホルパン(Luchorpain)」という言葉は「小さな腰の曲がったルー(Lugh)」という意味で、ルー(Lugh)の名称を語源としている。またルホルパンという語はレプラホーン(Leprechaun)の語源でもある。
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