ラーン

北欧神話において外洋を支配する女神。夫であるエーギル(Aegir, Ægir)とともに巨人族に属するが、ヨツン(Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn)では無く神々と敵対していない。名前は「誘拐する女」を意味し、溺死に対する恐怖あるいは時化(しけ)が神格化された存在だと考えられている。海の波はラーン(Rán)の娘達であり、母の命令のままに船乗りを誘惑し、激しく会場を駆け巡って船を沈めた。このラーン(Rán)の娘は九人いて、全員がアスガルズの門番神ヘイムダル(Heimdallr, Heimdall, Heimdalr)の母であるとされる。またラーン(Rán)は「溺死の網」と呼ばれる大きな網を所有しており、これを使って航海者をからめとり海中に引きずりこむという。こうしてラーン(Rán)は怖れられていたがそれだけではなく海洋の持つ豊かで女性的な側面をも体現しており、溺死者たちには海底にあるラーン(Rán)の住む館で素晴らしい魚料理が振舞われるとされている。

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