ラファエル

ユダヤ教・キリスト教における四大天使の一人。終末において七つのラッパを吹き鳴らす七人の天使の一人。名前は「神の熱」あるいは「神は癒す」を意味する。炎の剣によって象徴され、四大元素の「風」、四方位の「西」と理性、「正義」という美徳を司る。元々はバビロニア南部のカルデア人によって信仰されていた神格であり「ラビエル(Labbiel)」と称されていた。旧約聖書外典「第1エノク書」のギリシャ語写本には「人間の霊魂を司るもの」と説明されている。また他にも「癒しを行う輝ける者」、「エデンの園の“生命の木”の守護者」などと言われ、外科医や医者を守護する天使とされる。また巡礼者を守護するともされ、杖と水筒を持つ旅人の姿で描かれることもある。 「旧約聖書」の「創世記」にはラファエル(Raphael)がヤコブを祝福するに至った経緯が記されている。ヤコブが故郷に向けて旅をしていたとき、知らない者があらわれていきなりヤコブにレスリングを申し込んだ。腿の関節が外れてもヤコブはその人を離さなかった。ヤコブはその者が天使であることがわかっていたからだ。ラファエル(Raphael)はヤコブに「イスラエル(Israel)」の名を与え祝福し、腿を治療して元通りにしたという。 また高齢になってから割礼を受けたアブラハムを癒したのもラファエル(Raphael)とされている。受動的で母性的な能力を象徴するラファエル(Raphael)は女性として絵画にかかれることも多い。

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