大国主神

日本記紀神話に登場する国作りの神。「日本書紀」本書においては須佐之男命と櫛名田比売との息子とされるが、「古事記」では須佐之男命から数えて6世の孫(天之冬衣神と刺国若比売の子)、「日本書紀」一書では6世あるいは7世の孫とされている。「大己貴神(おおなむちのかみ)」、「大物主神(おおものぬしのかみ)」、「葦原醜男神(あしはらしこおのかみ)」、「八千戈神(やちほこのかみ)」など多くの異称がある。天照大御神を天津神の総元締とするならば、大国主神は国津神の総元締と言える。須勢理毘売、多紀理毘売命、沼河比売、神屋楯比売命、八上比売といった多くの女神と結婚し、その子供の数は181人を数えるという。 おそらく記紀成立以前は、農耕民が崇拝する自然神だったが、多くの結婚と多くの別名が示す通り、各地で信仰されていた様々な神の神徳を吸収した存在であると思われる。少名毘古那神とともに国土の開発、経営にあたり、農業、畜産を興して医療・禁厭(まじない)の法を定めた。天孫降臨に際し、国を譲って隠退。 民間では大黒天と結びついた福の神、縁結びの神として信仰されるが、これは「大国」が「ダイコク」ともよめる事からの習合だと思われる。また因幡の白兎の話でも知られる。神徳としては艶福家であるということから縁結び、子授、夫婦和合、また国造りをした神として五穀豊穣、養蚕守護、商売繁盛など多岐にわたる。

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