日天

仏教において天（Deva, Dēva）に属する一尊。「にちてん」とも訓む。インド神話の太陽神である「アーディティヤ（Āditya）」ないし「スーリヤ（Surya, Sūrya）（Sūrya）」が仏教に取り込まれたもの。アーディティヤは音訳で「阿儞地耶（あにちや）」、「阿儞底野（あにていや）」、スーリヤ（Surya, Sūrya）は「蘇梨耶（そりや）」、「蘇哩也（そりや）」とし、意味訳では「日天（Āditya, Sūrya）」のほか「日天子（にってんし／にちてんし）」、「日光天子（にっこうてんし）」、「日神（にっしん）」などと称する。十二天の一人として太陽を象徴する。胎蔵界曼荼羅では外金剛部院（最外院）の東方（上辺）に従者と妃を従えた姿で配され、金剛界曼荼羅では南方（左辺）に置かれる。胎蔵界曼荼羅での尊容は五頭または七頭の馬車に乗り、両手に開敷蓮を持つ。また左右に二天后（誓耶（Jayā）と微誓耶（Vijayā））あるいは日天衆を侍す。金剛界曼荼羅では五頭の馬に乗り右手に日輪を乗せ胸に起き、左手を拳に握り腰に当てる。 種字は「अ（a）」、真言は「南麼三曼多勃馱喃阿儞怛夜耶娑訶」。 日天 国訳秘密儀軌編纂局 編 「新纂仏像図鑑 天之巻」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain 日天 国訳秘密儀軌編纂局 編 「新纂仏像図鑑 天之巻」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain