仁王

仏教における二対の仏尊。同訓で「二王(におう)」と書くほか、「仁王天(におうてん)」、「仁王尊(におうそん)」などの名前でも呼ばれる。元々は一体であった執金剛神(Vajradhara, Vajrapāṇi)=金剛力士が、仏壇や寺院を守護する神とされるに至って、仏壇や寺院の門の左右両脇に神像をおくために阿吽一対の二体に分化したもの。口を開けた像を阿形(あぎょう)と呼び右に、口を閉じた像を吽形(うんぎょう)と呼び左に安置する。阿形を「金剛(こんごう)」、吽形を「力士(りきし)」と呼んだり、阿形を「那羅延金剛(ならえんこんごう→那羅延天(Nārāyaṇa))」、吽形を「密迹金剛(Guhyapāda-vajra)(みっしゃくこんごう)」と呼んだりする。一般的な姿として、裙(くん=僧侶がまとう腰衣)を腰にまとい上半身裸の忿怒相で、阿形は金剛杵を右手に、吽形は金剛杵を左手に持つ。

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