ニッカー

北欧の民間伝承に登場する水棲の怪物。「ネッケン(Näcken)」(スウェーデン)、「ニッカール(Nickar)」(デンマークのフェロー諸島)、「ニックール(Nickur)」「ニンニル(Ninnir)」「ハイクール(Hnikur)」(アイスランド)、「ニッケル(Nickel)」(デンマークのリューゲン島)、「ニューク(Nökk)」(エストニア)、「ニュック(Nøkke)」(フィンランド・デンマーク)など地域によって数々の名前で呼ばれる。後ろ向きにひづめがついた巨大で美しい白い馬、あるいはハンサムな若者の上半身を持ったケンタウロス型の生物、あるいは赤い帽子をかぶった金髪の少年、あるいは緑色の水が滴るあごひげを蓄えた老人というように様々な姿で描写される。海、湖、川といった水のある場所に生息しており、愛の営みを邪魔されない限り人間に親切である。しかし馬の姿のとき上に人が乗るとその人間は水の底へと連れ去られもう戻ってくることはないとされる。人間の妻を望むニッカー(Nicker, Nickur)もいて、愛情深い夫になるが、裏切られたり軽蔑されたりすると容赦ない報復を行う。鉄はニッカー(Nicker, Nickur)の力を封じることがで切ると考えられていて、船の底に鉄のナイフや板を置く慣習もあった。イギリスのケルピー(Kelpie)を類似している。

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