無能勝明妃

八大明王の一尊である無能勝明王(Aparājita)の妃とされる一尊。サンスクリット名を「アパラージタヴィドヤーラージュニー(Aparājitavidyārājñī)」といい、「アパラージタ」は「打ち勝つことができない」、「征服すべからざる」といった意味で、「ヴィドヤーラージュニー」は「ヴィドヤーラージャ(Vidyārāja)=明王」の王妃を表す。このため、「無能勝明妃(Aparājitavidyārājñī)」、「無能勝妃(むのうしょうひ)」などの名で呼ばれる。釈迦が菩提樹の下で悟りを開いたとき付き従った釈迦の眷属とされ、無能勝明王(Aparājita)とともに四魔(五蘊魔・煩悩魔・死魔・天魔)を滅ぼす四侍尊の一尊とされる。胎蔵界曼荼羅の釈迦院においては四侍尊の一尊として、中央に配される釈迦牟尼の向かって左下に配される。 種字は「अ(a)」、「ति(ti)」、密号は「長生金剛(ちょうしょうこんごう)」、真言は「南麼三曼多勃馱喃阿鉢囉爾帝若行底怛抳帝莎訶」(無能勝妃真言・T0848)、三昧耶形は鉞鉤。

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