エジプト神話に登場する戦争の神。「モント(Month)」、「モンチュ(Montu)」とも呼ばれる。元々は第4ノモスの州都テーベ近郊のヘルモンティスという都市で信仰されていた神だが、テーベで興った第11王朝(B.C.2055~B.C.1985)は自分たちの権力を正当化するためにモントゥ(Monthu)を国家の守護神とした。その後モントゥ(Monthu)信仰は衰退したが、モントゥ(Monthu)がアモン(Amon)に吸収されたり、アモン(Amon)がレー(Re)と同一視されていく過程で、モントゥ(Monthu)は王族の軍神であり、太陽の破壊的な面を象徴する化身だと考えられるようになったいった。レーの空の旅(太陽の運行)に付き添い、セト(Set, Seth)とともにレーを怪蛇アポピス(Apophis)から守ったとされる。ハヤブサの頭部を持ち、二匹のウラエウス(Uraeus)と二本の羽で飾られた太陽円盤を頭上に戴き、ケペシュと呼ばれる内反りの剣、あるいは槍を持った男性の姿で描かれる。また時には牡牛の頭部を持つ男性や牡牛そのものとして表される場合もあった。
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