ミシュコアトル

アステカの7部族の一つ、トラスカラ族における狩猟神。語義は「雲の蛇」。ミシュコアトル(Mixcóatl)という呼称は天の河を意味する言葉としても使われていた。トルテカ=チチメカの伝説的指導者「セ・テクパトル・ミシュコアトル(Mixcóatl)」が死後に神格化されたもので、神としてのミシュコアトル(Mixcóatl)の出自は人間としてのミシュコアトル(Mixcóatl)とは全く無関係に綴られる。それによれば、母神は大地の神イツパパロトル(Itzpapálotl)、配偶神は蛇の女神コアトリクエ(Coatlicue)だとされる(他にも神の妻がいたとされることもある)。ミシュコアトル(Mixcóatl)とコアトリクエ(Coatlicue)の間にはコヨルシャウキ(Coyolxauhqui)、センツォンウィツナワック(Centzonhuitznahuac)、センツォンミミスコア(Centzonmimixcoa)が生まれたが、末子のウィツィロポチトリ(Huitzilopochtli)だけはコアトリクエ(Coatlicue)の元に落ちてきた「羽根のボールの魔力」によって妊娠したものなのでミシュコアトル(Mixcóatl)の子ではない。 人間としてのミシュコアトル(Mixcóatl)自身にも神話的伝説が伝わっており、彼の妻チマルマンは彼の放った弓によって、後にトルテカの首都トーリャ(トリャン)を創始する伝説的統治者となるセ・アカトル・トピルツィンケツァルコアトルを身ごもったという。アステカの18ある暦月の15番目「ケチョリ」にはミシュコアトル(Mixcóatl)とカマシュトリ(Camaxtli)、それに彼等の配偶神が祀られていた。 ミシュコアトル(Mixcóatl) 1901 「テリェリアーノ・レメンシス絵文書(Codex Telleriano-Remensis)」より ロストック大学図書館(Universitätsbibliothek Rostock)蔵 Copyright: public domain ミシュコアトル(Mixcóatl) 1898 「ボルギア絵文書(Codex Borgia)」より ロストック大学図書館(Universitätsbibliothek Rostock)蔵 Copyright: public domain

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