ミン

古代エジプトで信仰されていた街道と旅人を守護する神。非常に人気があったらしく、直立した男根、まっすぐ伸びた二つの羽を飾った冠、右手に殻竿を掲げた姿で表される。"ミン(Min)の庭"と称されるレタスの植え込みとともに描かれることが多い。元々は創造神として信仰されていたと思われるが、ギリシア・ローマ時代になると道祖神とされ、砂漠を旅する者達を守護すると考えられた。崇拝の中心地だった上エジプト第9ノモスのパノポリスやコプトスといった都市では、商人のための崇拝所があり、旅に出る前にはここでミン(Min)に祈りが捧げられた。また金山や紅海に向かい道沿いにも小さなミン(Min)の神殿が数多く存在した。ミン(Min)は街道の神であるとともに豊穣と成長の神でもあり、「階段の祭り」と呼ばれるミン(Min)を祀る祭祀では、階段の上に座ったミン(Min)が王の刈り取った収穫の最初の一束を受け取るという儀式があった。

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