アフリカのベナンやギニアなどに住むフォン族の神話における創造神。フォン族の神話はハイチのヴードゥー教のベースとなったもので、フォン族の神話にもヴードゥー教と同じく無数の神々の集う万神殿が存在する。マウ・リサ(Mawu-Lisa)はその頂点に位置する双子の神で、一般的にマウが女性神、リサが男性神だといわれている(したがって「リサ・マウ」と呼ばれることもある)。別種の伝承によればマウ・リサ(Mawu-Lisa)は両性具有の単独の神であり、半身が月の目をした女性、半身が太陽の目をした男性なのだともいわれる。 マウとリサは14人の子供を産み、それぞれに世界の一部を分配した。その子神も同じように自分たちの子供に分配したため、細かい事柄にまでそれを司る神がいるようになった。これら無数の神々のことを総称して「ヴォドゥ」と呼び、「ヴードゥー」の語源はここにある。マウ・リサ(Mawu-Lisa)は創造神といわれながら、実は世界を最初に作った神ではない。マウ・リサ(Mawu-Lisa)以前にナナ=バルクという神がおり、マウ・リサ(Mawu-Lisa)はナナ=バルクから生まれたとされる。マウ・リサ(Mawu-Lisa)が創造神といわれるのは、古き世界に新たな秩序を発生させ、現在ある世界に形成しなおしたからである。
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