仏教に登場する想像上の海棲動物。インド神話でヴァルナ(Varna)の乗り物であった「マカラ(Makara)」が仏教にとりいれられたもの。摩竭魚(Makara)のほか、「摩羯(まかつ)」、「摩掲(まけつ)」、「摩伽羅(まから)」、「摩伽羅魚(まからぎょ)」、「麼迦羅魚(まからぎょ)」、「魔羯魚(まかつぎょ)」などと音写されるほか、「巨鰲(きょごう)」、「巨鰲魚(きょごうぎょ)」、「大體/大体(だいたい)」、「鯨魚(げいぎょ)」などとも訳される。ワニやイルカに類するものとされたり、カモシカの頭部と前脚がついた巨大な魚の姿とされることもある。「慧苑音義」に拠ればマカラ(Makara)は大きなもので体長が200里(約785km)にも達し、両目は太陽のように大きく、口を開けば谷のごとき大きさで船を飲み込み、水を飲もうとすれば山のような波ができるという。十二宮(Rāśi)のうち山羊座に当たる「摩竭宮(Makara)」を司るほか、阿摩提観音(Abhetri, Abhettī)の持物となったり、摩竭幢として愛金剛菩薩(Rāgavajra)の持物となる。
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