摩睺羅伽

サンスクリットの「マホーラガ(Mahoraga)」を音により漢訳したもの。仏法を守護するとされる天竜八部の一つを成す。また千手観音(Sahasrabhuja)の眷属二十八部衆の一尊に族の長である「摩睺羅伽王(まごらかおう)」が見える。意味による漢訳で「大腹胸行(だいふくきょうぎょう)」、「大蠎(だいもう)」とも称する。大蠎とは巨大な蛇のことで、腹ばいで進んでいく大蛇を神格化したものだと考えられている。人身蛇頭で音楽を司る神と考えられている。胎蔵界曼荼羅の外金剛部院(最外院)には横笛を吹いたり小鼓をうったりしている姿で配される。また華厳経には「善慧(ぜんえ)」、「清浄威音(しょうじょういおん)」、「勝慧荘厳髻(しょうえしょうごんけい)」、「妙目主(みょうもくしゅ)」、「如燈幢為衆所帰(にょとうどういしゅうしょき)」、「最勝光明幢(さいしょうこうみょうどう)」、「師子臆(ししおく)」、「衆妙荘厳音(しゅみょうしょうごん)」、「須弥堅固(しゅみけんご)」、「可愛楽光明(かあいらくこうみょう)」といった摩睺羅伽王の名が記されている。 種子は「म(ma)」ないし「ग(ga)」、印相は普印、真言は「南麼三曼多勃馱喃蘗囉藍蘗羅藍(なうまくさまんだぼだなんぎゃららんぎゃららん)」(諸摩睺羅伽真言・T0848)。 摩睺羅伽(Mahoraga)(胎蔵界曼荼羅) 望月信亨 編 「佛教大辭典」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain

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