「延喜式」や「古語拾遺」などに見える門を司る神の一柱。延喜式では「櫛石窓神」、「櫛磐間門命(くしいわまとのみこと)」、古語拾遺では「櫛磐間戸命(くしいわまとのみこと)」の名で記される。また 「櫛岩窓神(くしいわまどのかみ)」、「櫛石窓命(くしいわまどのみこと)」、「櫛磐窓命(くしいわまどのみこと)」、「櫛磐間戸神(くしいわまとのかみ)」などの名でも呼ばれる。神名の「クシ」は「奇」で敬称、「イワ」は岩の様に堅固であること、「マト/マド」は「真の門」を表すと考えられる。「古事記」においては豊石窓神とともに天石門別神の別名として登場するが、古語拾遺に拠れば布刀玉命の子神であり、天照大御神の岩戸隠れにおいて豊石窓神とともに瑞殿(みずのみあらか=天照大御神のために新しく作った新宮)の門の守衛に任じられたという。櫛石窓神、豊石窓神の両神は「御門神(みかどのかみ)」として皇居の四方にある御門全てを昼夜問わず守護するとされ、「御門巫祭神八座」として四方全てに両神が祀られる。 兵庫県篠山市にある式内社「櫛石窓神社(くしいわまどじんじゃ)」、奈良県橿原市忌部町にある「天太玉命神社(あめのふとたまのみことじんじゃ)」、賀茂別雷神社の摂社である「棚尾神社(たなおじんじゃ)」などに豊石窓神とともに祀られる。
ページにリダイレクトします。