仏教における龍王の一尊で不動明王(Acalanātha)の化身とされる。サンスクリット名を「クリカーラ(Kṛkāla)」ないし「クリカー(Kulika)」といい、同訓で「倶力迦羅龍王」、「倶哩迦羅龍王」などと記すほか、「倶哩迦龍(くりかりゅう)」、「拘理迦(くりか)」、「古力迦龍王(こりかりゅうおう)」、「倶哩迦羅大龍王(くりからだいりゅうおう)」などの名前でも呼ばれる。また意味訳から「黒龍(こくりゅう)」、「黒色龍王(こくしきりゅうおう)」、「尊勅龍王(そんちょくりゅうおう)」などの別称を持つ。 不動明王(Acalanātha)が外道と争ったとき、智火の剣となりまた龍に変成し、外道を従えたという説話があり、この龍が倶利伽羅龍王(Kṛkāla, Kulika)とされる。倶利伽羅龍王(Kṛkāla, Kulika)は剣に巻きつく炎を纏った龍の姿で表されるが、剣は外道を象徴し、倶利伽羅龍王(Kṛkāla, Kulika)はこれを従える不動明王(Acalanātha)自身を象徴する。またその四肢は降三世明王(Trailokyavijaya)、軍荼利明王(Kuṇḍalī)、大威徳明王(Yamāntaka)、金剛夜叉明王(Vajrayakṣa)の四大明王を象徴でもあるという。
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