国之常立神

記紀神話における創世初期の神々の一人。「国之常立神」は古事記での表記で、日本書紀では「国常立尊(くにのとこたちのみこと)」あるいは「国底立尊(くにのそこたちのみこと)」の名で登場する。「古事記」では別天神に続いて出現した「神世七代」の第一代で、高天原に最初に現れた天之御中主神から数えて6番目に出現した神。「日本書紀」では天地開闢の段において本書と六つある一書(別伝)全てに名が見える。天之常立神と対の神ではあるが、もともと国之常立神の方が実際に古くから信仰されていた神であり、天之常立神はそれに対応する神として創造されたものであると考えられている。従って「国」は天に対する「地」を意味し、地上ないし国土を永久不変な確固たるものとして安定せしめた神だと考えられる。また名前の「常(とこ)」は別名の通り「底」に通じ、底が立つ、つまり地盤がしっかり根付いた状態を表すと考えられる。 日本の神々を陰陽五行説などに基づいて解釈する吉田神道や伊勢神道といった神道説では、国之常立神を宇宙の根源であり、日本の神的世界の中心に位置する神だとする。また国之常立神は万物の草分けと考えられるため、「草分尊(くさわけのみこと)」と呼ぶ場合もある。 國常立尊󠄂(クニトコタチノミコト) 江戸後期 玉蘭斎貞秀著 「神佛図會」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain 天神㐧一代 舊事本紀ニハ 國讓日天狹霧尊󠄂 國讓月國狹霧尊󠄂 此二神ヲ以テ元始トナス 御中主ヲ日本紀ニ者以テ之ヲ元始トス 吾日本國天地開闢最初ノ大御神ノ元始ナリ/國壌漂譬ハ猶游魚ヲ浮水上也千時天地之中ニ生一物狀如葦牙便化為神號ス國常立尊伊勢國度會郡外宮ニ豊受太神宮奉申スハ是也/雄畧天皇廿二年戊午秋七月七日從丹波國魚井原垂跡也/亦御中主ノ太神ト申ス君臣両祖國初大元ノ御神君ナリ/亦中化ノ氣男女ト化シテ和合リ子ヲ生ム其國ノ人氣強クシテ重霧暮露氣晴止ル穴居野処ニ日月ヲ遣リ肉食毛衣シテ上下君臣礼儀無ク此神君万民ニ上トシテ五

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