クマルビ

フリ人(カスピ海南沿岸の山岳地帯に住んでいた民族)の神話に登場する、神々の王たる神。フリ人の信仰はヒッタイト人の信仰に大きな影響を与えた。クマルビ(Kumarbi)は王になるためにアヌ(Anu)を退けなければいけなかった。クマルビ(Kumarbi)はアヌ(Anu)に仕えていたが、9年間が過ぎたとき、クマルビ(Kumarbi)はアヌ(Anu)に襲いかかった。アヌ(Anu)はすぐさま鳥のように空に舞い上がり、天まで行ってしまった。しかしクマルビ(Kumarbi)はアヌ(Anu)の足をつかんで引きずり下ろし、ペニスを噛みきってしまった。アヌ(Anu)はクマルビ(Kumarbi)に向かって、喜んではいけない、お前は私の精液によって子供を孕み、やがて3人の恐ろしい神々を産むであろう、と予言した。これら3人の神々はテシュブ(Teshub)の三つの異なった顔であると信じられていた。 クマルビ(Kumarbi)は最後に自分の息子テシュブ(Teshub)によって王位を奪われた。クマルビ(Kumarbi)は復讐を決意し、海の助けを得ることでもう一人息子をもうけた。ウルリクムミ(Ullikummi)と呼ばれるこの子供は体が閃緑岩で出来ており、海の真ん中に住んでいるウペルリ(Upelluri)という巨人の肩の上に乗っていた。テシュブ(Teshub)はウルリクムミ(Ullikummi)を攻めるが成功せず、退位を余儀なくされた。この物語の結末は散逸したが、最後はテシュブ(Teshub)がクマルビ(Kumarbi)を破り、再び王位に付いたと考えられている。

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