熊野夫須美大神

熊野三山のうち「熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)」、旧名「那智神社(なちじんじゃ)」ないし「熊野夫須美神社(くまのふすみじんじゃ)」の主祭神として祀られる神。「熊野夫須美命(くまのふすみのみこと)」、「熊野牟須美大神(くまのむすびのおおかみ)」などの名前でも呼ばれる。神名の「フスミ」は「産霊(むすひ)」のことで、霊的な生成力を示す。この神の名は「古事記」や「日本書紀」には登場しないが、天照大御神と須佐之男命との誓約(うけい)の際に生まれた男神五柱の一柱である熊野久須毘命と同神ではないかとされる。また一方で熊野那智大社の社伝では熊野夫須美大神を伊邪那美命と同一視する。更に伊邪那岐命の御子神で祓いの神である事解之男神とも同体とされる。全国の熊野神社では多くは三柱の祭神を祀るが、熊野夫須美大神を祭神とすることは少なく、代わりに事解之男神や伊邪那美命がその三柱に入ることが多い。熊野三所権現の一尊としては千手観音(Sahasrabhuja)を本地仏とする。

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