コシーオ

メソアメリカ南部高地、オアハカ峡谷およびその周辺に住んでいたサポテカ人、特に峡谷サポテカで信じられていた雨の神。名前は「稲妻」を意味し、「ピタオ・コシーオ(Pitao Cocijo)」、「ゴシオ(Gozío)」(山岳サポテカにおける別称)、「ロシーヨ(Lociyo)」(南部サポテカにおける別称)などとも呼ばれる。考古遺物とレラシオン(土地の歴史書)によって、高原サポテカの都市の主神で、世界の四方位とサポテカの5番目の方位である天頂を司っていたことが分かっている。人間の体にジャガーの顔、そして稲妻を表す先の割れた蛇の舌を持っていた。コシーオの図像は多く残っており、特に埋葬壺と副埋葬壺は、コシーオ(Cocijo)の周りを半円形に囲うように置かれており、これはコシーオ(Cocijo)を崇拝した特別な祭儀があったことを暗示すると思われる。南部サポテカの都市ソーラのレラシオンは、トウモロコシ(メイズ)の神であるピタオ・コソビ(Pitao Cozobi)に捧げられる儀礼が、チリ・トウガラシ収穫の最初の刈入れ時に、、コシーオ(Cocijo)に対しても捧げられたと語っている。 コシーオ(Cocijo)という言葉はサポテカの祭祀用暦「ピエ(piye)」の4分の1にあたる65日暦をさす言葉(トビコシー Tobicocijとも呼ばれた)でもあり、これはアステカのトナルポワリ(Tonalpohualli)に相当する。各コシーオ(Cocijo)は、さらに13日からなる5周期に分けられる。マヤのチャク(Chac)、ミシュテカのザウィ(Dzahui)、トトナカのタヒン(Tajine)、アステカのトラロック(Tlaloc)に相当し、またタラスコのチュピティリペメ(Chupithiripeme)も同様であると考えられている。

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