メソアメリカ南部高地、オアハカ峡谷およびその周辺に住んでいたサポテカ人の信じる神。妻であるショナシ・ケクヤ(Xonaxi Quecuya)と並んで峡谷サポテカの都市ミトラ固有の神だった。「ベサラオ(Bezalao)」、「コケチラ(Coquechila)(南部サポテカでの別称)」、「ペサラオ(Pezalao)」、「ピタオ・ペサラオ(Pitao Pezalao)」、「レタ・アウィラ(Leta Ahuila)(南部サポテカのオセロペックでの別称)」などの名前でも呼ばれる。両神は死の地下世界の神であり、都市ミトラを中心にオアハカ峡谷では両神は「コケチラ(=コキ・ベセラオ(Coqui Bezelao))」と「ショナシ・ウィリア(=ショナシ・ケクヤ(Xonaxi Quecuya))」として崇拝されていた。ミトラはサポテカ人にとって「死の都」、「安息の地」ないし「冥界」であり、実際ミトラの宮殿や公共階段の下にある通路や墓は、地下という表現に説得力を与えている。 また、コキ・ベセラオ(Coqui Bezelao)は山岳サポテカの都市テオクイクイルコの守護神でもあり、その神像を納めた神殿には神官達しか入ることが許されなかった。260日おきに特別な儀礼が捧げられ(メソアメリカには広く365日暦と260日暦があった)、この際住人達はウズラや美しい色合いの羽根、貴重な緑石などを神官達のもとに持ち寄った。神官達は近郊の山頂で下や耳に穴を空け、血を流すという自己供犠を行い町の安定と繁栄を祈願した。こうした自己供犠をともなう儀礼は常に夜に始められ、翌日の夜の同じ時刻まで続けられた。
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