チベット仏教における守護尊の一種。サンスクリット名の「ヘーヴァジュラ(Hevajra)」を訳したもので、「ヘー」を呼びかけの間投詞と解して「キェイドルジェ(Kye'i rdo rje, Kyedorjé )="呼金剛"の意」、或いは歓喜と解して「ギェードルジェ(dGyes rdo rje ,Gyédorjé)="喜金剛"の意」とも呼ばれる。またヘーヴァジュラの音写で「ヘパズラ(He ba dzra, Hewadzra)」とも呼ばれる。異像が多く妃も一定しないが、ダクメーラモ=ナイラートミヤー、ドルジェパクモ=ヴァジュラヴァーラーヒー(Vajravarahi, Vajravārāhī)、チャクドクマ=ヴァジュラシュリンカラーのいずれかを妃として抱擁するヤブユム像をとる。多く作例が知られる八面十六臂像では青黒色の身色で全ての手にカパーラ(髑髏杯)を持ち、ダクメーラモを抱擁する。 ヘーヴァジュラ・マンダラ 三面四臂でナイラトミヤー(Nairātmyā)=ダグメマ(bDag med ma, Dagmema)=無我母を抱くヘーヴァジュラ=キェイドルジェ。右手に金剛杵、左手にカパーラを持つ。 Hevajra Mandala メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)蔵 15世紀 Copyright: public domain
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