ケツァルコアトル

古代メソアメリカ、アステカの神。白のテスカトリポカ(Tezcatlipoca)。「ケツァル」とはエメラルドグリーンの羽を持つキヌバネドリの一種、コアトルとは「ヘビ」の意味を持つ。名前の通り、ケツァルの羽毛で覆われたヘビの姿をしており、場合によっては翼も持っている。また人間形でも描かれ、その場合、円錐形の帽子と貝の装身具を着けた姿であらわされることが多い。至高神オメテオトル(Ometeotl)から生まれた創造神の一柱で、テスカトリポカ(Tezcatlipoca)、シペ・トテック、ウィツィロポチトリ(Huitzilopochtli)らの兄弟にあたる。 アステカの神話の中で今まで4回繰り返されてきた太陽と世界の創造(現在の世界は第五の太陽の世界とされる)において、ケツァルコアトル(Quetzalcoatl)は第二の太陽の世界を支配した神である。農耕、暦、火といった重要なものを人間にもたらし、また冥界におもむいて死神ミクトランテクートリ(Mictlantecuhtli)から人間の元となる「骨」を取り戻し現在の人類を創造した。アスカトル(Azcatl)から人類の糧のなる食料を獲得したのもケツァルコアトル(Quetzalcoatl)である。 トナルポワリ(260日暦)において「1のアカトル」の日はケツァルコアトル(Quetzalcoatl)の生誕の日とされ、「2のアカトル」の日は命日とされる。また昼を司る13神トナルテウクティン(Tonalteuctin)の9番目である。エヘカトルやトラウィスカルパンテクートリ(Tlahuizcalpantecuhtli, Tlauixcalantecuhtli)と同一視されるほか、マヤではククルカン(Kukulkán, Kukulcán)、キチェ・マヤ族においてはグクマッツ(Gucumatz)として知られていた。 ケツァルコアトル(Quetzalcoatl) 1901 「テリェリアーノ・レメンシス絵文書(Codex Telleriano-Remensis)」より ロストック大学図書館(Universitätsbibliothek Rostock)蔵 Copyright: public domain ミクトランテクートリ(Mictlantecuhtli)とケツァルコアトル(Quetzalcoatl) 1898 「ボルギア絵文書(Codex Borgia)」より ロストック大学図書館(Universitätsbibliothek Rostock)蔵 Copyright: public domain 生(右=ケツァルコアトル)と死(左=ミクトランテクートリ)の対比図。左右両側の絵文字はトレセーナ(週)を担ぐセンポワリ(週の初日)で右下から上にジグザグに進む。トレセーナは13日あるため、上下の12の丸を使って残りの12日を示している。この絵図の目的は生と死が等しく世界を収めていることを表すことだと思われる。 ケ

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