中国最古の地理書とされる「山海経」の海内北経の項に記される、「犬封国」という国に住む犬のような姿の人々のこと。犬封国は「犬戎国」、「狗国」とも称するため(後述)「犬戎人(けんじゅうじん/Quǎnróng-rén)」、「狗国人(くこくじん/Gǒuguó-rén)」とも称する。山海経中の郭璞の注によれば、高辛氏(→帝嚳(Dì-kù))の時代に盤瓠(という名の犬)が(敵である)戎王を首を取ってきたので、褒美として(人間の)美女を娶らせたが、これを人に言うわけにもいかず、會稽の東南海中三百里の地に彼らを封じた(ゆえに犬封国か)。子供が産まれる時男子の場合は犬に、女子の場合は美人に生まれたと言う。また「山海経」の大荒北経に出てくる同じ種族と思われる、「犬戎」と呼ばれる人々は、黄帝(Huáng-dì)の子「苗龍」、その子「融吾」、その子「弄明」が産んだ雌雄の白犬であり、肉を食すという。さらにこの「犬戎国」には「犬戎」と呼ばれる人面獣身の神がいるという。
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