乾闥婆

ヒンドゥー教の半神族ガンダルヴァ(Gandharva)が仏教に取り入れられたもの。「乾闥婆(Gandharva)」は「ガンダルヴァ(Gandharva)」の音写であり、他に「健達縛」とも書く。また意味による訳から「尋香行(じんこうぎょう)」、「食香(じきこう)」などとも称する。乾闥婆(Gandharva)は四有(人が生まれて生まれ変わるまでに体験する四つの状態)のうち、中有(死んで生まれ変わるまでの肉体がない状態)の身とされ、時期が来るまでの間、香を食べて過ごすとされている。「食香」の名はここから。また乾闥婆(Gandharva)は、仏法を守護するとされる天竜八部の一部を成す部族である。帝釈天(Śakra-devānam-indra)の眷属で伎楽を司るとされ、いつもは山中に住むが時に帝釈天(Śakra-devānam-indra)の住まう忉利天まで降りてきて楽を奏するという。また他にも観音三十三応現身(→観音菩薩(Avalokiteśvara))の一身として、あるいは千手観音(Sahasrabhuja)の眷属である二十八部衆の一部衆としても知られている。 乾闥婆神 「神佛図會」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain

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