アイヌにおいて雷を衣装として「アイヌモシリ(人間界)」に現れるとされるカムイ。「カンナ」とはアイヌ語で「上方」を意味する。「シカンナカムイ」、「ポンカンナカムイ」とも呼ばれる。長く伸びる雷の形が蛇に似ていることから大蛇(竜)としての姿(衣装)もとるといわれている。「カムイモシリ(カムイの世界)」において最も気の強いカムイと考えられるときもある。蛇は空を飛ぶ生き物ではないため、アイヌ人はカンナカムイをシンタ(子供用の揺り篭)にのって空を飛ぶカムイだと考えていた。 雷を初めとした天気状態を顕現体とするカムイであり、神としての風格は十分だが、アイヌ人たちはもっと生活に密着したカムイを重要視して奉る傾向があったために、信仰の対象とはならなかった。神謡においては人間の姿を顕現体とするアイヌラックル(オキクルミ、オイナカムイ)の父とされることが多い。
ページにリダイレクトします。