仏教において観音菩薩(Avalokiteśvara)が変化した姿、いわゆる変化観音の一つ。「準提観音」とも書く。また「じゅんてい」は「じゅんでい」と読むこともある。「准胝仏母(じゅんていぶつも)」、「准胝菩薩(じゅんていぼさつ)」などの名前でも知られる。名前はサンスクリット名である「チュンディー(Cundī)(Cundī)」を音から訳したもの。観音菩薩(Avalokiteśvara)の女性的な側面を表すとともに金剛薩埵(Vajrasattva)あるいは大日如来(Mahāvairocana)の化身の一つとされることもある。仏教諸尊の(超自然的な)母親とされ、70万もの仏が准胝観音(Cundī)から発生するとされることから、「サプタコーティブッダマートリ(Saptakoṭibuddhamātṛ)」、訳して「七倶胝仏母(しちくていぶつも。倶胝は十万のこと)」とも呼ばれる。姿は一定しないが一般的に多臂で、日本では三目十八臂で表されることが多い。その多くの腕に武器を持っており仏敵を追い払い仏法に励む者達を護るという。また母性を象徴することかから夫婦の円満や子宝、安産などを願う仏尊としても知られている。六観音の一人として人道(人間の世界)の教化にあたる。また胎蔵界曼荼羅では諸尊を発生させる力の象徴として遍知院に配される。
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