日本記紀神話において、伊邪那岐命と共に国産みを行った女神。神世七代の最後の神。「伊弉冉尊」とも書く。神名は「誘(いざな)う女の神」といった意味。火之迦具土神を産んだとき陰部を火傷して死に、根の国(=死の国)の住人となる。伊邪那岐命が追ってきたものの、「黄泉戸契(よもつへぐり=死者の食べ物)」を食べてしまった為この世に戻れなくなり、根の国の女王となる。伊邪那岐命とともに創造神、万物を生み出す力の象徴であり、また人間の寿命を司る。根の国まで伊邪那美命を追ってきた伊邪那岐命は、ただれ様変わりした妻の様子に仰天して根の国を逃げ出し、根の国と現世との境である「黄泉津平坂(よもつひらさか)」で相対し、伊邪那岐命に向かって「地上の人間を一日に千人殺す」と言い放つ。それに答えて伊邪那岐命は「一日に千五百人の産屋を立てる」を言い放ち二人は縁を切り、それぞれ、あの世とこの世の支配者となったという。以上の説話から「黄泉津大神(よもつおおかみ)」、「道敷大神(ちしきのおおかみ)」という異称を持っている。 伊弉冉尊󠄂(イザナミノミコト) 江戸後期 玉蘭斎貞秀著 「神佛図會」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain 天神㐧七代 近江國多賀大明神 伊弉諾尊󠄂 陽神 二万三千四百 加賀国白山権現 伊弉冉尊󠄂 陰神 大八州開基御神此二柱君臣立玉イ夫婦兄弟ノ如ク前ノ神君ンオ教ヲ守玉イ/㐧一ニ君臣ヲ奉リ父母ヲ勤労婦夫ノ間美シク兄弟朋友ヲ親ミ深ク交ルヲ諸神ニ守ラシム/帝王妃ハ天地群臣万物ニ德ヲ比ス/天ト云バ日月星辰/国ト云バ山川/根ト云バヨシ/海ト云バ魚龍ニ比スコト常ナリ故ニ天子ハ其德天下ヲスベシリ玉イテ天津神諸矦ハ國津神諸臣ハ司々有ハ八百万神ト云凢リ四代ノ神皆国常立ヨリ出テ各同血ノ別流シテ後世臣下?ナリ/力子黒ニシテ二君ニ仕ザル義ナリ/六代
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