五十猛神

日本書紀に登場する樹木を司る男神。「いたけるのかみ」と読むこともある。また「射楯神(いたてのかみ)」とも呼ばれる。須佐之男命の子。名前の意味は未詳。日本書紀によれば、須佐之男命が高天原を追放された時にともに新羅(しらぎ)に天降ったのが五十猛神であった。須佐之男命は結局新羅に住むことを嫌い出雲に渡ったので、五十猛神が持っていた木の種も新羅には植えられず、大八州(おおやしま=日本国土)に植えられることになった。このため五十猛神は樹木と植林の神とされる。また日本書紀に記された別の神話によれば、須佐之男命が髭や胸毛、尻毛、眉毛を抜いて撒くとそれが色々の樹木となり、これらの樹木を更に日本中に普及したのが五十猛神と大屋津姫命、柧津姫命の三人の須佐之男命の御子神とされる。 古事記に五十猛神の名は登場しないが、伊邪那岐命と伊邪那美命の御子神である大屋毘古神と同神ではないかと考えられている。

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