イシス

古代エジプトの豊饒の大母神。字義は諸説あるがそのままであれば「腰掛け」という意味があり、したがってイシス(Isis)を表すヒエログリフも玉座をかたどったものである。ヌート(Nut)の娘で、オシリス(Osiris)の妻であり妹。またホルス(Horus)やウェプワウェト(Wepwawet)の母親で、アヌビス(Anubis)の養母とされる。彼女の夫であるアヌビス(Anubis)はエジプト王位の簒奪をもくろんだ弟であるセト(Set, Seth)により殺され、14に分割されて投げ捨てられたが、イシス(Isis)の尽力と並外れた魔術の能力により蘇った。イシス(Isis)がオシリス(Osiris)と交わりホルス(Horus)を生んだのはその後である。無事後継ぎが生まれたことを確認したオシリス(Osiris)が冥界に帰ってからは、息子ホルス(Horus)が王位につけるように助力した。 魔術と知略に長けた神であるとともに、夫に忠誠を尽くし子を慈しむ理想的な女性の姿を司る神でもある。至高神レー(Re)からレー(Re)の真の名前を聞き出せたのはイシス(Isis)一人であるとされる。通常トビや牝牛の頭、あるいは牝牛の角をつけ、腕にはホルス(Horus)を抱いた人間の女性の姿であらわされる。また名前から玉座に座っている女性として描かれることが多く、イシス(Isis)の膝自体がエジプトの玉座と見なされた。

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