イルルヤンカシュ

ヒッタイト神話に登場する蛇、もしくは竜のような姿をした怪物。多数の頭を持つともされる。神々と敵対しており、とくに気象神タル(Taru)を目の仇にしていた。しかし、時にタルの娘とされる女神イナラシュ(Inaras)と、その恋人で人間であるフパシヤシュの助力もあって、タルはイルルヤンカシュを殺すことに成功する。タルとイルルヤンカシュの戦いの物語は、新年もしくは春の到来を祝う祭りで朗読された。このことから怪物の災害という出来事が新しい時代の始まりを象徴するものだったということが分かる。ギリシア神話に出てくる怪物テュポーンの原型はイルルヤンカシュにあるとされる。

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