イブリース

イスラム教における悪魔王で堕天使。「エブリス(Eblis)」、「ハリス(Haris)」とも呼ばれる。キリスト教のルシファー(Lucifer)ないし(個人名としての)サタン(Satan)にあたる。「アル・シャイターン」(かの唯一なる悪魔)とも呼ばれる。名はギリシア語のディアボロス(悪魔)に由来するとも、アラビア語のウブリサ(何も期待しない)であるとも言われている。コーラン(イスラム教の聖典)によると、神がアダムを創造し、居並ぶ天使たちに、「ひざまずいてこれを拝め」といったとき、ただ一人イブリースだけがそれを拒んだ。彼はこのために天国を追われ、悪魔の大王となった。イブリースには「スト(Sut)」、「アワル(Awar)」、「ダシム(Dasim)」、「ティル(Tir)」、「ザラムブル」という名の五人の息子がおり、それぞれ「虚偽」、「卑猥、好色」、「争い、不和」、「破滅的災害」、「商いの不正」を司るとされる。

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