フルングニル

北欧神話において巨人（ヨツン（Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn））族でもっとも強いとされた者。石の頭と心臓を持つとされる。ある日偶然会ったオーディン（Ōðinn, Odin）に馬での競争を持ちかけられたフルングニル（Hrungnir）は自慢の馬「グルファクシ」に乗り、スレイプニル（Sleipnir）に乗ったオーディン（Ōðinn, Odin）と競争した。競争はオーディン（Ōðinn, Odin）がかろうじて勝ったのだが、フルングニル（Hrungnir）は競争に夢中になる余り、自分がアサ（Æsir）神族の世界「アスガルズ」にいつの間にか誘い出されていたことに気付かなかった。こうしてアスガルズに招かれたフルングニル（Hrungnir）は酒でもてなされたのだが、酔う内に次第に傲慢になり神々を罵倒し始めた。そこに丁度アサ（Æsir）神族で最も強いとされるトール（þórr, Thor）が帰ってきた。酔っている上に武器も持ってきていないフルングニル（Hrungnir）はこの場でトール（þórr, Thor）と戦っては自分が負けるだろうと考え、トール（þórr, Thor）に一対一の決戦を申し込んでその場を無難に治めて帰っていった。後日二人はアスガルズとヨツンヘイム（ヨツン（Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn）族の世界）の国境近くで対決したが、結局フルングニル（Hrungnir）はトール（þórr, Thor）に負けることとなった。この時ヨツン（Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn）族はフルングニル（Hrungnir）の手助けにと人工の巨人モックルアルヴィ（Mokkuralfi）を作っている。