日本記紀神話に登場する男神。木花之佐久夜毘売と邇邇藝命との間に生まれた三柱の男神の長子。一般に「海幸山幸」物語の「海幸彦(うみさちひこ)」の名で知られる。神名の「火(ホ)」は母神が彼らを火をつけた産屋の中で生んだことに基づいたものであるとともに、同音の「穂(ホ)」を表し稲穂を守護し日本を統治する役目を担う天之忍穂耳命の直系の血筋であることを暗示している。したがって神名は火が照り輝くことを意味するとともに稲穂が色づいて熟した様子をも意味していると考えられる。 末弟である日子穂穂手見命(山幸彦)を快く思っていなかった火照命は、自分の釣り針を弟が無くしたことに腹を立て、釣り針が見つかるまで許さないと言ってきかなかった。日子穂穂手見命は塩椎神や綿津見神の娘である豊玉毘売命の助力を得て守備よく釣り針を見つけて火照命に返したが、以前のように魚が全然つれなくなったと日子穂穂手見命に難癖をつけたため、日子穂穂手見命は豊玉毘売命からもらった「潮満瓊(しおみつたま)」、「潮涸瓊(しおひるたま)」を使って兄を懲らしめた。
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