水蛭子

日本神話における海の神。日本神話では「蛭子神（ひるこのかみ）」、或いは単に「蛭子（ひるこ）」、「蛭児（ひるこ）」として登場するが、民間では七福神の一人として「恵比寿（えびす）様」、「恵比寿神」、戎大神（えびすおおかみ）と呼ばれ親しまれている（蛭子、水蛭子と書いて「えびす」と読む場合もある→恵比寿）。語義は「ヒルのように体が不完全な子」といった意味だと考えられる。伊邪那岐命と伊邪那美命の間に生まれた第一子だったが、生育が悪く、3歳になっても足が立たなかった。そのため両神は、葦船に乗せて蛭子神を海に流した。神話ではその後の水蛭子の事は語られていないが、海の彼方の常世の国に渡ったと考えられている。また西宮神社の伝説では、海に流された水蛭子は摂津国西の浦（兵庫県西宮）の海岸に流れ着き、土地の人々は拾った彼を「戎三郎様（えびすさぶろうさま）」と呼んで大事に養い育てたと伝えられている。 豊漁や航海の安全、交易の守護神であり、また商売を繁盛させて富と幸福をもたらす福神として信仰されている。