中国の地理書、「山海経」の西山経・北山経に見える、旱魃を起こす凶兆とされる怪物。「肥𧔥」とも書く。「山海経」には「肥𧔥」が一件、「肥遺(Féi-wèi)」が二件、「肥遺之蛇」が一件の合計四件の記載があり、それぞれの説明も異なっている。 西山の太華山にいる「肥𧔥」(1)は六つの脚と四つの翼を持つ蛇で、これが出現すると天下は大旱魃になるという。同じく西山の英山にいる「肥遺(Féi-wèi)」(2)は鶉のような鳥で黄色い体に赤い嘴を持つ鳥で食べれば癩(らい=ハンセン病)を癒し、また虫下しとしても使えるという。次に北山の渾夕山にいる「肥遺(Féi-wèi)」(3)は一つの首に二つの胴体がある蛇の姿をしており、これが出現した国はやはり大旱魃に見舞われるという。最後に北山の彭毗山の「肥遺之蛇」(4)は外見の説明などはないが牀水という川の中に多く生息するという。
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