ヘルモズ

北欧神話において、主神オーディン(Ōðinn, Odin)とフリッグ(Frigg)の息子とされる使者の神。「ヘルモード(Helmod)」とも。ヘルモズ(Hermóðr)という名前は「決心」を暗示している。またヘルモズ(Hermóðr)は「俊敏なるもの」という異名を持ち、勇敢で大胆な戦神とされている。ロキ(Loki)の姦計によってバルドル(Baldr)が死んだとき、冥府ニブルヘルに赴き、死の神ヘル(Hel)と交渉する役目をすすんで負ったのがヘルモズ(Hermóðr)である。彼は父親から生者をニブルヘルに運ぶことができる八本足の馬スレイプニル(Sleipnir)を借り受け、死者の国への道程を九日九夜かけて走破してヘル(Hel)に謁見し、バルドル(Baldr)を生き返られるための条件を聞き届けた。ヘルモズ(Hermóðr)はオーディン(Ōðinn, Odin)の冥府へと旅する能力を独立して神格化させた存在だと考えることができる。

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