「古事記」に登場する水門の神。祓戸大神(はらえどのおおかみ)四柱の一柱に数えられる。伊邪那岐命と伊邪那美命による神産みにより生まれた三十五神の一柱で、速秋津日子神とともに9番目に生まれた。名前の「ハヤ」は美称、「アキツ」は諸説あるが「開き門」と解釈し「開いて通過する所=港」、あるいは「明津」と解釈し「禊」を意味すると考えられている。この両神の代わりに、「日本書紀」には伊邪那岐命と伊邪那美命の子として速秋津日命が登場する。本居宣長はこの神を伊豆能売神と同神と説いている。 速秋津日子神と速秋津比売神との間には沫那芸神、沫那美神、頰那芸神、頰那美神、天水分神、国水分神、天之久比奢母智神、国之久比奢母智神の八柱が生まれているが、この子神たちも三十五神に数えられている。 兵庫県南あわじ市湊里の「湊口神社(みなとぐちじんじゃ)」、鳥取県東伯郡湯梨浜町の「湊神社(みなとじんじゃ)」、和歌山県和歌山市鳴神の「鳴神社(なるじんじゃ)」などに速秋津日子神やほかの神とともに祀られる。また滋賀県大津市の「佐久奈度神社(さくなどじんじゃ)」、東京都港区の「日比谷神社(ひびやじんじゃ)」などに祓戸大神の一柱として祀られる。
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