旧約聖書偽典「第2エノク書(スラブ語エノク書)」に言及される堕天した天使の一群。「見張る者」の意。「エゴロイ(Egoroi)」、「エグレゴリ(Egregori)」、「ウォッチャーズ(Watchers)」とも呼ばれる。元々グリゴリ(Grigori)とは人間を教育する目的で編成された天使の一群で、アダムとエヴァたちの子孫を見張るために地上から降りてきた者達だった。彼らは人間の娘達に魅了され、人間の娘達と結婚し子供を作ろうと考えた。勿論このような行いは神によって禁止されていたが、グリゴリ(Grigori)の一員の決心は固く、結局この計画には数十の首長(Chief of Tens)を含む200人の天使が賛同した。それぞれが美しい人間の妻を娶り、子供を産ませたが、この子供たちは背丈が3000キュピット(1350m)もある巨人「ネフェリム(Nephelim)」となった。この巨人の子供達の食欲はすさまじく、人間の作る食糧ではとても間に合わず共食いまで始める始末だった。しかもグリゴリ(Grigori)達は自分の妻たちに武器の製造の仕方や、腕輪などの作り方、男に媚を売るための化粧法や薬物の製造法といった「知恵」を与えてしまった。これによって人間達の間では姦淫や殺し合いが横行するようになり、この罪によってグリゴリ(Grigori)達は幽閉され、神の裁きによってノアとノアの箱舟の乗員以外の全ての人間は洪水によって押し流されるという大惨事を招くに至った。 堕天した200人のグリゴリ(Grigori)の天使のうち、名前がわかっているのは一部である。教皇文書によれば、「グリゴリ(Grigori)」とは実は天使の9階級の、今は無い第10階級を組織する天使達だったとされている。
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