グリフィン

汎ヨーロッパ的に民間伝承や伝説に登場する聖獣。「グリフォン(Gryffon,Griffon,Griphon)」、「グリュフォン(Gryphon,Gryffon)」とも呼ばれる。グリフィン(Griffin)という名前には「つかむ」と言う意味があり、元々はギリシア語の「グリュプス(Gryps, Grypes)(Gryps)」ないしラテン語の「グリフス(Gryphus)」からきている。頭と上半身がワシ、下半身がライオンの姿をしている。眼は大きく赤く、体は茶色で、翼は青、あるいは白とされる。ライオンとワシの間に出来た子供とされ、意地悪く強欲で自分のテリトリーを侵す者には容赦なく、その巨大な鉤爪で襲い掛かる。中世ヨーロッパにおいては時祷書や詩篇、動物寓話集に頻繁に登場するようになり、馬を忌み嫌う存在とされたりした。中世末期には旅行家の記録にも登場するようになり、例えばジョン・マンデヴィルの「東方旅行記」には、ライオンの八倍もある巨大な怪物で額から突き出した大きな角を使って水を飲んでいたと記録されている。ヨーロッパの貴族の家紋や王家の紋章、美術作品の図案に多く使用されている。

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