ゴヴァノン

ウェールズでは「ゴヴァノン(Govannon)」、アイルランドでは「ゴブニュ(Goibhniu)」といわれる、島のケルト神話における鍛冶の神で女神ダヌ(Danu)の息子。ケルトには技術を司る三人の神がいて、他に建築の神「ルフタ」と金細工の神「クレーニュ」という名の神が知られている。ゴヴァノン(Govannon)はその筆頭に上げられる神であり、鉄の加工を司っていた。彼の主な仕事は、神々のために武器を鍛えることで、鉄の刃を持つ剣や槍の穂先、弓矢の矢じりなどを作り、「トゥアハ・デ・ダナーン(Tuatha De Danann)(ダーナ神族)」の勝利に大きく貢献した。彼の持つ魔法の槌は三度振るだけで刀や槍を完全に鍛えることが出来た。そうして作った武器は、一度放たれれば的をはずすことはなく、ひとたび命中すれば相手にとって致命傷となった。これは鉄のもつ武器としての魔術的な強さを示すエピソードだと言える。ゴヴァノン(Govannon)には神々のために酒を醸造するというもう一つの特技があり、これはギリシアの鍛冶の神ヘパイストスと同様なので、ケルト神話とギリシア神話の共通性を見出せる。またゴヴァノン(Govannon)はグィディオン(Gwydion)の息子ディランを殺したことでも知られている。

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